車中泊そのものを禁じる条文は、保管場所法にも道路交通法にもありません。条文が問うのは「道路のどこに、どれだけの時間駐車したか」です。道路交通法の定義では、車内に人がいても、継続的に停止していれば「駐車」に当たると読めます。
路上で朝まで過ごすのは避けてください。道路上の同じ場所に夜間(日没から日の出まで)引き続き8時間以上駐車すると、保管場所法第11条第2項に違反し、20万円以下の罰金の対象になります。
泊まる場所を探しているなら、道路ではなく、公式に宿泊を認めている RVパークなどを選ぶのが確実です(RVパーク併設の道の駅の一覧)。道の駅・SA/PA・公園の駐車場は法律ではなく施設や自治体のルールで決まるので、下の表から該当する記事に進んでください。
車中泊で問われる条文はどれか
編集部が 2026年9月27日に e-Gov 法令検索で読んだ現行条文です。
| 条文 | 禁じていること | 時間・距離 | 違反したとき |
|---|---|---|---|
| 保管場所法 第11条第2項第2号 | 夜間に道路上の同じ場所に引き続き駐車 | 8時間以上(夜間=日没時から日出時まで) | 20万円以下の罰金(第17条第2項) |
| 保管場所法 第11条第2項第1号 | 道路上の同じ場所に引き続き駐車 | 12時間以上(時間帯を問わない) | 20万円以下の罰金(第17条第2項) |
| 保管場所法 第11条第1項 | 道路上の場所を保管場所(車庫代わり)に使う | 時間の定めなし | 3月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金(第17条第1項) |
| 道路交通法 第44条・第45条 | 標識のある場所、交差点・横断歩道・踏切の付近、駐車場の出入口付近などでの駐車 | 例: 出入口から3m以内、消火栓から5m以内 | 時間に関係なく駐車できない |
| 道路交通法 第49条の3 | 時間制限駐車区間で表示時間を超える駐車 | 標識に表示された時間 | 表示時間を超えて駐車できない |
保管場所法の「駐車」は道路交通法の定義をそのまま使います(保管場所法第2条第5号)。夜間8時間と12時間の上限は、駐車が禁止されていない道路でもかかる上限です。
自動車の保管場所の確保等に関する法律 第11条(道路上の夜間8時間・12時間以上の駐車の禁止)と罰則 の基本データ更新日 2026年9月27日
| 発行元 | 法律(所管: 警察庁)。e-Gov 法令検索(デジタル庁)で現行条文を確認 |
|---|---|
| 原文の URL | https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000145 |
| 要点 | 何人も、道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなる行為と、夜間(日没時から日出時まで)に道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなる行為をしてはならない(第11条第2項)。道路上の場所を自動車の保管場所として使用することも禁じている(第11条第1項)。第11条第2項に違反したときは20万円以下の罰金、第11条第1項に違反して道路上の場所を使用したときは3月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金(第17条)。ここでいう「駐車」は道路交通法第2条第1項第18号の駐車(第2条第5号)、「道路」は道路法の道路及び一般交通の用に供するその他の場所(第2条第4号)。適用しない場合は施行令第4条が定め、災害応急対策・医師の往診・報道の取材などの用務や、火事・出水等で保管場所を使えず警察署長に届け出た場合などが並ぶ |
| 原文の引用 | 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。(第11条第1項)/何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為 二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為(第11条第2項)/次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。…二 第十一条第二項の規定に違反したとき。(第17条第2項) |
| 施行・確認日 | 現行条文の施行日 2025-06-01(令和4年法律第68号による改正)。確認日 2026-09-27 |
出典:
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令(昭和三十七年政令第三百二十九号)|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
車の中で寝ていても「駐車」になるのか
条文上はなると読めます。道路交通法第2条第1項第18号は、駐車を次の2つのどちらかとしています。
- 客待ち・荷待ち・貨物の積卸し・故障その他の理由で、継続的に停止すること
- 停止して、運転者が車を離れてすぐに運転できない状態にあること
1つ目は、運転者が車を離れることを条件にしていません。条文の文言からは、車内で眠るために同じ場所で止まり続けている状態も「その他の理由により継続的に停止すること」に当たり、停車ではなく駐車になると読めます。
道路交通法 第2条(駐車の定義)・第44条・第45条・第47条・第49条の3(駐車してはならない場所と方法) の基本データ更新日 2026年9月27日
| 発行元 | 法律(所管: 警察庁)。e-Gov 法令検索(デジタル庁)で現行条文を確認 |
|---|---|
| 原文の URL | https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 |
| 要点 | 「駐車」は、車両等が客待ち・荷待ち・故障その他の理由により継続的に停止すること、又は運転者が車両等を離れて直ちに運転できない状態にあること(第2条第1項第18号)。第44条は道路標識等で停車・駐車が禁止された部分と、交差点・横断歩道・踏切・坂の頂上付近・トンネルなどや交差点の側端から5メートル以内などで停車・駐車を禁じる。第45条は道路標識等で駐車が禁止された部分と、駐車場などの出入口から3メートル以内、消火栓などから5メートル以内などで駐車を禁じ、駐車した車の右側に3.5メートル以上の余地がない場所での駐車も禁じる。第47条は駐車するときは道路の左側端に沿い、他の交通の妨害とならないようにすることを求める。時間制限駐車区間では、道路標識等に表示された時間を超えて引き続き駐車してはならない(第49条の3第2項) |
| 原文の引用 | 駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止(特定自動運行中の停止を除く。)をし、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。(第2条第1項第18号)/車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。(第45条第1項)/車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。(第47条第2項) |
| 施行・確認日 | 現行条文の施行日 2026-07-21(令和8年法律第52号による改正)。確認日 2026-09-27 |
出典:
- 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
路上に停めて寝るなら、どこなら何時間までか
条文を順に当てはめると、答えは2段階です。
- その場所に駐車してよいか。 道路交通法第44条・第45条で駐車が禁止された場所(標識のある区間、交差点の側端から5m以内、駐車場などの出入口から3m以内など)では、短時間でも駐車できません。駐車するときは道路の左側端に沿い、他の交通の妨害にならないようにします(第47条第2項)
- 何時間続けてよいか。 駐車してよい場所でも、同じ場所に夜間は8時間以上、時間帯を問わず12時間以上続けて駐車できません(保管場所法第11条第2項)。パーキング・メーターのある時間制限駐車区間では、標識に表示された時間が上限です(道路交通法第49条の3第2項)
夜に路上で眠ると、日没から日の出までの間に8時間を超えやすくなります。夜間8時間未満・通算12時間未満なら第11条第2項には当たりませんが、駐車禁止の場所ではそもそも停められません。
例外として路上に長く停められるのはどんな場合か
保管場所法施行令第4条が、第11条を適用しない場合を列挙しています。災害応急対策の実施、医師・歯科医師の往診、生命が危険な状態にある傷病者の看護、報道の取材、犯罪の捜査などの用務で、駐車がやむを得ない場合です。
個人の旅行や仮眠に当たる項目はありません。火事・出水などで自分の保管場所が使えなくなった場合は、道路を管轄する警察署長に届け出たうえで、新しい保管場所を確保するまでの間に限って認められます(施行令第4条第2項第11号)。
警察はどんな駐車を取り締まっているか
警察庁の令和5年版警察白書は、道路が自動車の保管場所として使われるのを防ぐため、保管場所法に基づいて「青空駐車」の取締りを行っているとしています。白書は青空駐車を「道路を自動車の保管場所として使用する行為」と説明しています。
保管場所法第11条は「何人も」で始まる条文で、車の持ち主に限らず適用されます。
道の駅・SA/PA・公園・駐車場では何が決め手か
道路交通法の「道路」には、道路法の道路のほか「一般交通の用に供するその他の場所」が含まれます(第2条第1項第1号)。ただ、個々の駐車場がこれに当たるかは条文だけでは決まりません。施設の駐車場で泊まれるかは、法律より先に、施設や自治体が公表しているルールで決まります。
| 場所 | 決め手になるルール | 公式の文言 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 一般道の路上 | 保管場所法・道路交通法 | 夜間8時間以上・12時間以上の駐車禁止 | この記事 |
| 道の駅 | 国土交通省の見解 | 仮眠はかまわないが、宿泊利用は基本的に遠慮 | 道の駅の車中泊の公式見解 |
| 高速道路の SA・PA | 道路交通法第75条の8と NEXCO の注意書き | 区画された場所での駐車は可。目的に反する長時間の駐車は禁止行為 | SA/PA の公式ルール |
| 公園・海岸・港 | 自治体の条例・管理規程 | 夜間閉鎖や長時間駐車の禁止を定める所がある | 公園・海岸・港の条例と夜間閉鎖 |
| 災害時の避難 | 内閣府の手引き・自治体の指定 | 自治体が公表する車中泊避難の場所 | 災害時の車中泊避難 |
国土交通省は道の駅について、運転の途中で疲労回復のために車内で仮眠をとるのはかまわないが、駐車場など公共空間での宿泊利用は基本的に遠慮してほしいとしています。
高速道路では、道路交通法第75条の8が停車・駐車を原則禁止し、「駐車の用に供するため区画された場所」を例外にしています。SA・PA の駐車ますのように区画された場所に停めることは、この例外に当たると読めます。そのうえで NEXCO東日本は「前項に規定の目的に反し長時間にわたる駐車を行うこと」を SA・PA の禁止行為に挙げています。
道路交通法 第75条の8(高速自動車国道等での停車・駐車の禁止と、区画された駐車場所の例外) の基本データ更新日 2026年9月27日
| 発行元 | 法律(所管: 警察庁)。e-Gov 法令検索(デジタル庁)で現行条文を確認 |
|---|---|
| 原文の URL | https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 |
| 要点 | 自動車は高速自動車国道等では停車・駐車してはならない。ただし、駐車の用に供するため区画された場所で停車・駐車するとき、故障その他の理由でやむを得ず十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車・駐車するときなどは例外とする(第75条の8第1項) |
| 原文の引用 | 自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。一 駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。(第75条の8第1項) |
| 施行・確認日 | 現行条文の施行日 2026-07-21(令和8年法律第52号による改正)。確認日 2026-09-27 |
出典:
- 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
公園では、ひたちなか市が「自宅の駐車場の代わりとして一晩中駐車する者」などを理由に、4公園の駐車場を午後7時00分から午前8時30分まで閉鎖しています。
コインパーキングやコンビニ、月極駐車場のような民間の駐車場は、所有者や管理者が決めた利用規約が決め手になります。
このページが向かない人は
- 泊まってよい場所の一覧を探している人は、RVパーク併設の道の駅の一覧が先です
- 公園・海岸・港の駐車場の可否を調べている人は、自治体の条例を原文で並べた 公園・海岸・港の条例と夜間閉鎖を開いてください
出典
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
- 道路交通法|e-Gov 法令検索(確認日 2026-09-27)
- 令和5年版 警察白書 第3項 総合的な駐車対策 - 警察庁(確認日 2026-09-27)
- 道路:道の相談室:休憩施設「道の駅」 - 国土交通省(確認日 2026-09-27)
- SA・PAご利用上の注意 - ドラぷら(NEXCO東日本)(確認日 2026-09-27)
- 公園駐車場の夜間閉鎖のお知らせ|ひたちなか市公式ウェブサイト(確認日 2026-09-27)